SABOTEN気象台予報課第2回予報会議でMission Impossible

昨日4月22日,SABOTEN気象台予報課の第2回予報会議が行われました.(※予報会議とは,東京の翌日の予報を考えて作成するイベントです)今回もいきなり,新たな試みもいろいろあってシビレる予報会議でした!だって今回も一筋縄ではいかない事例です.だってこんな感じですよ.

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左が22日9時,右が今朝6時の速報天気図です.昨日は,というか昨日までは南海上の高気圧の支配を受けてたんですよ,それが,今日は北海道付近に中心を持つ高気圧の支配を受けるようになる日なんです.

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22日9時の高層天気図です.左上500,右上700,左下850です.まず,ここのところ暑い日が続いていましたが,その原因となっていた南海上の高気圧に注目してみます.500の5820mの等高度線は北に盛り上がり,しっかりリッジ場となっていることが分かります.700も850もしっかりとした高気圧として現れており,ここには出していませんが,300hPaも高気圧になっていて,背の高い高気圧,すなわちサマージャンボ高気圧になっているのです.サマーですよサマー,夏はよくこのような形になりますよね.そうなんです.一方その頃,22日9時の地上天気図に現れていた大陸の高気圧はどうでしょうか.850hPaではしっかりと高気圧として現れていますが,700は辛うじてHのスタンプはありますが,500では全く気配がありません.つまり,背の低い高気圧だということです.これ冬のシベリアにできる高気圧じゃん.昨日までの天気図には,冬と夏が共存していたということですね.

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5460付近のトラフ後面の北西流場で北海道付近に台頭してくる高気圧,その高気圧の南縁にLのスタンプがあって,関東地方は北東~東よりの風が卓越するようになってくる予想です.実況で5760~5820mにかけてのトラフの前面に中層雲・上層雲が広がっていましたが,その上層雲がかかってくるかどうか,それも見どころです.

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下層の温度場は,850も700も22日の9時は平年より随分と高い状態で,なんなら925は真夏の温度でした.そこから,23日には10℃ぐらいドンと下がる予想です.そもそも天気も難しいし,天気はずしたら気温も思いっきりハズすかも知れません.あ,大体いつもそうですね.

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今回の新たな試みは,これらの天気図を解析する時にチームごとにとあるミッションが予報官から与えられる!という,ちょっとしたゲーム性ですね(・∀・)そんなワクワクする感じとウラハラ?に,ミッションがガチで難しい.トラフ・リッジの追跡,対応する擾乱,前線解析などなど,それぞれのミッションに対して,その根拠も合わせて発表する,ガチガチのコーナーです.そんな頭は使うわ,緊張感はあるわで,最終的にはかなり疲弊する内容でした.でもなんだろうな,心地よい疲労感?みたいな.

IMG_6077今回,もう一つの新たな試みとして,会議終了後にSABOTEN CAFEを開催しました.

学校の放課後のような,自由にメンバーの皆さんや先生方と交流できるという,これまた最高のひととき.写真は,入田先生が若者のメンバーと交流している所ですが,こんなふうにざっくばらんにお話ができるんです.時間がちょっと足りなかったかな,というぐらいです.

ということで,SABOTEN気象台予報課第2回予報会議も無事終了いたしました.次回は6月に開催予定です.おや,そうこうしているうちに,23日9時のエマグラムが入ってきました.衛星画像とともにご覧ください

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エマグラムは,赤い線が23日9時,青い線は22日夜9時です.どう変化したのかすぐに分かりますね.

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エマグラムと合わせて見ると,この雲がどれぐらいの高度の雲か,どのようにできているものか,分かります.さてー!これからどうなるかな

2018年4月23日~天気はコロコロ変わる~   合同会社てんコロ.
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