高知県や徳島県で大雨に

昨日から九州から中国・四国方面でしっかり雨が降って,今日は高知県で大雨になり,土砂災害警戒情報や記録的短時間大雨情報が出ました.今も,高知県と徳島県では強い雨が降っている所があります.天気図で昨日から今日にかけての状況を見てみます.

今日の0時~12時の3時間毎のレーダー画像+925hPa相当温位・風(MSM初期値)↓拡大して見てみてください.

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925hPaの低気圧性循環の中心は赤いバツ印の所です.循環の中心はほとんど動いていません.一方,低気圧性循環の前方には,南海上から暖湿気が流入していますが,温暖前線に対応する前面の相当温位の集中帯では,特に収束も強く,強いエコーが見られます.こちらは,時間経過とともに,低気圧の中心から少しずつ離れて,高相当温位の空気塊の流入の中心は東の方に移動しているように見えます.

24日00Zの500hPa高度・渦度,700hPa鉛直流,850hPa気温・風の解析図を見てみると↓

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四国沖で強い上昇気流が解析されています.これらは,5820m付近のトラフの前面で盛り上がってきた所です.この後はどこで強い雨が予想されるか,これらを踏まえて,この暖湿気の突っ込みや温暖前線の動向を追っていきますと↓

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でかっ!4面にしたらでっかい図になってしまいましたが….500hPaのトラフは,今夜から明日朝にかけて少し浅まりながら東進していきます.ですから,前線帯の対流活動がこれから一段と活発になるというわけではありませんが,850hPaの相当温位図を見ると,前線帯は明日朝にかけて関東南岸のほうに北上してくる見込みです↓

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ただ,高相当温位の空気が一番突っ込んでくるところ(青丸で囲った,低気圧性の循環ができそうなところ)は主に海上にあって,強い雨の中心は海上になりそうな感じです.ただ,降水域は前線の北側に広く分布しそうです.上の図で見ても,南岸の前線帯の他に,日本海側にも低気圧性の循環があることが分かります.これはGSMだけではなく,MSMも同じような流れを予想しています.この辺の雨量に関しては,MSMのほうが良さそうなので,そちらの予想を確認してみます.↓

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今夜21時から6時間毎のMSM925hPa相当温位,風,降水の予想図です.低気圧として解析はされず,ただのキンクとして表されるかも知れませんが,低気圧性の循環は日本海側にも前線上にもあります.その循環も,前線の南側の暖湿気流入の主な流れがどんどん東進してしまって,また循環が背後に取り残されていくような格好になっていく予想です.前線帯は北上してきますが,対流活動が活発な領域はどんどん東へ逃げて行くような,そんな感じです.つまり,東海地方から関東地方は明日にかけて広く雨は降ります.愛知県~静岡県にかけては,南岸で雨量が多くなる所があるので注意です.海上にあたる伊豆諸島方面は,特に強い雨や雷雨に注意です.

あと,なにげに,すでに大雨になっている高知や徳島でも,明日の明け方頃にかけては前線帯付近で暖湿気の流れ込みが続き,さらに雨量が多くなる予想になっている所があります.高知県の東部,徳島県の南部あたり,狭い範囲だけど,まだ警戒したほうがいいところです.

MSM_15_0925_0900積算←今夜21時から明日朝9時までの,12時間積算降水量の予想です.

2015年9月24日~天気はコロコロ変わる~   合同会社てんコロ.
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