真冬の寒気がやってきて。昨日から今日
昨日、11月10日のラジオっぽいTV!では、わたくし、こんなことを言っておりました。
<昨日の00Zの天気図を振り返ってみます。>
左上は「500hPaの高度・渦度分布」、右上は「500hPa気温・700hPa湿数の分布」です。左下は「地上気圧・降水の分布」、右下は「850hPa気温・風、700hPa鉛直流分布」の予想図です。昨日の段階で、今朝の9時はこんな感じが予想されていました。私が着目したのは、北陸から東北の日本海側です。-29℃くらいの第1級の寒気の南下によって、これだけ鋭くトラフが南下してきて、地上気圧では北陸沿岸にLスタンプがある。そこで、850hPaの流れを見ると、そのLスタンプに対応する低気圧性の循環が確かにあって、500のトラフが接近してくる前面の下層では南よりの風が入っている、そして上昇流の極大値も大きめで、700の湿り域となっている。また…
海面水温の分布を見ると、まだ北陸沿岸などは20℃ぐらいの水温があるわけです。上空の寒気との差は、大きい所では50℃ぐらいあります。これは相当な不安定度合いだ!ということで、注意してたわけです。
<昨日の12Zの天気図を見てみます>
同じように、北陸沿岸に注目していきます。よく見ないと分からない程度なんですが、違いが分かりやすいと言えば下層でしょうか。地上にLスタンプの予想が無くなっています。そして、850hPaを見ると等温線の混み具合とか山型は前の予想図と同じように予想されてはいるのですが、風の流れは低気圧性の循環が怪しくなっています。また、700hPaの上昇流の値も小さくなってきています。
<今朝の00Zの天気図を見てみます(解析図)>
結果の話になりますが、今朝の天気図です。寒気も強くて、トラフも鋭いのですが、次のイニシャル(10日12Z)では、低気圧の表現が無くなり、今朝の解析ではさらに低圧部も弱い表現になっています。実況では、朝から昼前にかけて谷の通過がありましたが、心配したような発達した雲域は無く、まあアラレはあったのでしょうが、よかったです。
こんな風に、イニシャル代わりの違いでも大きく変わってくるので、天気図はいつも見てないと、分からないものなんですね~。
<その代わりと言ってはなんですが…>
トラフの接近・通過に伴って、関東の方でかなり明瞭なシアが通過していきました。しっかりしたエコーの通過で、午後は雨にやられた人が多かったですね。こういう、強い寒気を伴ったしっかりしたトラフの通過時には、MSMの計算でもシアが表現されて、降水も計算してくれます。ここまでしっかり降るとは予想されていませんでしたが、こういう時は雨の予報を採用すべきなんです!ということを、すっかり忘れてました。1年経つと、冬の特徴を忘れてしまう…(T_T)。困ったものです。今日の反省点です。